10月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫01月

働くもののいのちと健康を守る労働行政を!東京労働局との交渉報告

2016/12/05
下町ユニオンニュース2016年132月号より

 11月1日(金)午後、九段合同庁舎の会議室で東京労働局との交渉を行いました。交渉には下町ユニオンをはじめ労働組合、NPO、被災者団体の仲間30名が参加しました。

■急増する建設現場での労災防止対策を

 東京では建設現場での死亡・重傷災害が増加しています。2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催や東日本大震災の工事も相まって技能労働者が不足し、労働災害の増加か懸念されます。昨年6月に東京労働局が実施した都内360の建設工事現場の一斉監督では、6割以上の226事業場に労働安全衛生法違反がありました。政府は今後、人手不足を外国人技能実習生や外国人就労者を活用して補おうとしています。昨年7月に安全衛生規則が改正され、建設工事現場での足場の組立て作業の特別教育の実施が義務付けられましたが、外国人労働者向けのものはありません。安全課に質問しても回答できませんでした。工事現場での墜落・転落は死亡災害に直結します。監督指導の強化とともに外国人労働者に対する安全教育の徹底を要請しました。

■長時間労働の削減と過労死防止対策を

 電通の髙橋まつりさんが過労とパワハラで自死に追い込まれました。企業責任はもとより国の長時間労働削減と過労死防止対策が厳しく問われています。
 交渉では時間外労働時間を1か月80時間ではなく45時間以内に削減すること、36協定の届出と「時間労働時間の上限基準」の遵守はもとより、「特別条項付き36協定」で事実上無制限に長時間労働を許容している実態を是正するために厳しい監督指導を求めました。
 監督課は長時間労働の削減が最重点課題であり、時間外労働を45時間以内になるよう事業所への監督指導を強化すると答えました。使用者に対し、1か月の時間外労働の上限規制と勤務間インターバル規制を法律で義務付けることが必要です。監督課は私たちの要請を本省に上申すると回答しました。
■介護労働者の結核・疥癬の感染症予防を

 今年、江戸川、亀戸、向島各労基署との交渉で、昨年度、結核感染による労災認定が2件、3件、6件、また疥癬が7件、0件、5件出ていることが分かりました。福祉施設の介護労働者の腰痛対策や感染症予防対策の徹底を要請しました。

東京労働安全衛生センター 飯田勝泰

00:00 労働安全 | コメント(0) | トラックバック(0)

公開学習会 『安心して働き続けたい - 活かそう労働契約法!』 開催

2016/12/05
 例年11月にホットラインと合わせて公開学習会を開催しています。今年は10月27日、江戸川区タワーホール船堀で、日本労働弁護団事務局長の嶋﨑量(しまさき ちから)弁護士に講師をお願いして、労働契約法の有期労働契約に関する18条、19条、20条について学習しました。東京都労働相談情報センター亀戸事務所の助成を受けての共催です。
 18条は、同一使用者との間の有期労働契約を更新して通算5年の規約期間を超えると、無期契約転換の申込みができ、申込みをすれば使用者は申込みを承諾したものとみなす。転換後の労働条件は有期契約と同一の労働条件が原則。2013年4月1日以降に締結した有期労働契約からなので、1年を越える労働契約以外は2018年4月以降の契約更新時に無期転換申込権の行使ができるようになります。あくまで労働者からの申込みによるもので5年になれば自動的に無期契約にみなされるわけではありません。また規約期間が無期になるだけで、待遇が「正社員」と同じになるわけでもありません。その点に注意が必要です。
 経営者は違法、脱法的なやり方でこの無期転換をさせないようにすることが予想されます。気に入らない労働者に対しては5年になる前に「雇い止め」にしようとしてきます。
 例えば、「この契約で更新せず終了する」とした「不更新条項」を入れた契約書にサインを迫るなど考えられます。このような場合、まずその時点でユニオンに相談してもらう事が大事です。労働者側としては19条〈「雇い止め法理」の法定化〉で闘うことができますが、単純にその契約書に「サインしない」と言うだけではうまくいかないことが予測されるからです。。

2016-11労働契約法学習会

 こうした雇い止め対策や無期転換の申込みをするにしてもユニオンのサポートは重要です。また転換後の労働条件も原則は変わらないとなるとパートやアルバイトの低処遇が続くということになります。ここでも無期転換をして安定した雇用になってからの待遇改善をしていくためにユニオン(労働組合)の果たす役割は大きいです。
 20条は、有期労働契約を理由とした不合理な格差を禁止することを定めました。すでにフルタイムの有期雇用労働者が不合理な格差であると賃金の手当、賞与や退職金など正社員との差額の支払を求めて裁判がいくつか始まり地裁や高裁での判決も出てきています。こちらもユニオンの役割が重要です。
 労働契約法の周知と宣伝、職場の点検、有期雇用労働者は雇い止めの不安から一人ではなかなか闘えないのでユニオンがサポートすることが必要不可欠です。
 非正社員の割合は約4割になろうとしています。そのほとんどが有期雇用という雇用不安と差別的な低処遇にあります。労働契約法を活かして権利を守る運動を進めていきましょう。
00:00 有期雇用 | コメント(0) | トラックバック(0)

下町労働運動史 64

2016/12/03
下町ユニオンニュース 2016年12月号より

戦前の下町労働史 その二七   小畑精武
 
もぐらのうた・上
 東京地下鉄の争議・前史

日本最初の地下鉄は一九二七年一二月二〇日、上野と浅草間のわずか二・二キロメートルが開通しました。現場従業員はわずか五〇数名のスタートでした。
地下鉄の計画は山梨県生まれの早川徳次が同郷の根津嘉一郎(東武鉄道の創始者)の協力を得て、一九二五年九月に起工。地表から掘って切り開く開削工法ですべて人海戦術でした。
開通の半年前に、会社は根津と早川の郷里である山梨県内で労働者の募集を行い、農家の子弟三〇〇人ほどが応募、高等小学校卒業程度の試験と口頭試問により、一七~三〇歳の男性三三人が採用されます。
会社は近くに寮として普通の家を借り、五班に分けられました。初日は明治神宮を参拝し社長の話を聞きました。二日目からは、講義と実習で日給一円が支給されました。学科は七月から車両、信号、軌道、電気、運転。実習は一〇月から入り、省線(国電)蒲田車庫で朝八時から夕方五時まで運転練習を二十日間、二一日からは原町田と東神奈川の間で試運転教習をしています。車掌は実習のため省線の各線に配置されました。
もぐらのうた

十一月には地下鉄車両が入り(地下鉄はどこから地下に入るのでしょうか?)、毎日車両みがき、雑巾がけ、変電所の磨き掃除、砂利かつぎ、夜の警備巡回まで大変でした。
 開業する一二月からは上野と稲荷町間で試運転、車掌はドアエンジンの訓練。一七日には教習所の卒業式を迎え、会社規約厳守の宣誓式も行いました。給料も決まります。
 運転手 日給一円六〇銭~一円七〇銭
 車 掌 日給一円五銭~一円六銭
 募集広告より一〇銭安いことに不平が生じます。地下労働は非衛生的、過労も加わり目が見えなくなる労働者も出てきました。会社は舎監と置き「泉の花」という修養冊子を持ち込んで問題のすり替えを行いました。
 
 一日一三時間の超長時間労働
休暇は一〇日に一回、労働時間は午前出が午前六時から午後三時に残業五時間が加わり午後八時まで、午後出は午後三時から翌日の午前〇時に午前一〇時からの早出で加わり、一日一三時間の超長時間労働です。
開通の翌年一九二八年三月、運転手一二,三人が以下の嘆願書を会社に出します。
①初任給が新聞広告より一〇銭安い
②運転手、車掌共日給に差があること
③衛生設備が悪く、詰所もないこと、等
会社からの返事はありません。一二月に以下の再び嘆願書を提出。
①一〇日に一回の公休を六日に一回に
②勤務時間を六時間に(一〇時間を)
③詰所(きたない)の改善を。
④隧道(トンネル)に散水を(ホコリが多い)
⑤青服(軍服を思わせる)を撤廃し普通の詰襟に。
今回は車掌も参加、終車後寄宿舎に集まり、翌朝要求書として提出、返事がなければサボタージュに入ることを申し合わせました。

 サボタージュへ突入
翌朝、会社に要求書を提出します。しかし要領をえない返事。午後からサボタージュに突入、通常なら五分の上野―浅草間を三〇分くらいかけての運転です。会社は本社から運転できる社員を派遣してハンドルを取り上げて対抗。運転手たちは寄宿舎に引上げ籠城。会社は運転手一二人に解雇を通告。残りの七人には切り崩し攻撃がかけられ分裂状態に。
そこへ警視庁の調停官が現れ、八時間労働と残業一割増、公休八日に一日、慰労金などにより急転直下和解へ。しかし、被解雇者一二名のうち四人は復職ができず、毎日荒れる生活となり分裂状態に陥り、停滞を余儀なくされました。しかし、職場での「活動」は続き、地下鉄争議の灯が灯ります。
(次号・下に続く)
【参考】「もぐらのうた‐1932年東京地下鉄争議記録集」学習の友社一九八七年
00:00 下町労働運動史 | コメント(0) | トラックバック(0)
 | HOME |